◆何者!?◆

23/26
前へ
/845ページ
次へ
黙っていれば時間が解決してくれる。 そう思った煉は残り時間で猫との会話をなんとなく思い出していた。 だが、それによりある事実に気付いてしまう。 「(ん?……ちょっと待てよ……あれ?……もしかしてこれって……!!)」 煉は慌てた様子で猫を見た。 煉が気付いて慌てることも予想していたのか、猫は僅かにニヤけている。 「こぉんのクソ猫!! お前これ……強制じゃんか!!」 「お! 気付いたか! 流石は拙者が見込んだ人間だな」 白々しく猫がそう言うと、煉はやけくそにコーヒーを一気飲みする。 「あーもう! こんなの嫌なのに! 絶対嫌なのに! くそ! わかったよ! 僕の名前は斎藤 煉だ!」 そして、空になったコップをテーブルに叩きつけながらそう名乗った。 「ふむ、拙者の名は《沙助(サスケ)》だ。よろしくな」 パートナーは煉が死なない限り変えられない、沙助は確かにそう言っていた。 つまりさっきの「パートナーは何とかする」の意味は、煉に死んでもらうという意味を含んでいるかもしれない。 それに気付いた煉は、すぐに名前を言った。 世界を救う為なら、沙助は自分を殺しかねないと思ったからだ。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加