◆一緒に◆

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翌日の朝。 時刻は6時半で窓の外から小鳥のさえずりが聞こえる中。 日差しをもろに受けながらも煉はそれを遮るように掛け布団に潜って寝ていた……のだが。 「煉! 起きろ! 朝だぞ! もう日は出ているぞ!! ぐっもーにんえぶりわんだぞ!!」 煉の背中に小さな衝撃が何度も何度も……沙助が飛び跳ねているのだ。 流石の煉も目を覚ます。 「……うぇ……もう朝ぁ?」 煉は布団から顔だけ出し、重そうな瞼を頑張って開け明らかに眠そうな声でそう言った。 そのまま目覚まし時計を確認すると、とても不機嫌そうな表情になる。 「まぁだ6時半じゃんかぁ……」 「馬鹿者!! 学校とやらに遅れたらどうするんだ!」 「あ~はいはい、便利な目覚ましですねぇ……」 そう言って煉はまた布団に潜る。 「お前はモグラか!? モグラならモグラらしく、土に潜れ馬鹿者!!」 沙助が布団の盛り上がっている部分、つまり煉の顔がある場所を右前足でバシバシ叩く。 が、それをものともしない煉。 「わかった……土に潜ったパートナー……窒息で死す……END……」 「わー!! 待て待て!早まるな!! 拙者が悪かった!……え? 悪いのか?」
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