◆一緒に◆

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結局あの後沙助の長ったらしい説教を聞く羽目になり、渋々と煉は起きた。 いつも通り顔を洗い、制服に着替え、今は朝食を用意している。 その間、沙助がテレビのニュースを食い入るように見ていた。 《次のニュースです。昨夜未明、○○県○○市の路上で警官隊数名が取り押さえようとした少年から暴行を受けるという事件が発生しました。 少年が暴れていると近所の住人から通報を受け、警官隊三人が現場に駆け付けた所、通行人に暴行を加えていた少年を発見。取り押さえようとした所、警官隊もその少年により暴行を受け負傷しました。 更に現場に応援に駆け付けた他の警官隊七名に対しても暴行を加えた後、現場から逃走。現在、その少年の行方は分かっておりません。 この事件に関しましては、新しい情報が入り次第、当番組内で随時お伝えして参ります。さて、続いてはスポーツです……》 次に映ったのは現場の写真。 煉は見覚えのある場所に不安そうな表情を浮かべる。 「うわぁ……近所じゃんか。怖いな。それと朝食用意したよ沙助」 煉は自分のフレンチトーストと牛乳をテーブルに置き、沙助の前にホットミルクを置いた。 しかし沙助は視線をテレビに向けたままだ。 「煉……おかしくないか? このニュース。少年が10人の大人を倒せるのか?」 「確かに……ってまさか早速ダークナイトなの!?」
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