◆一緒に◆

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煉と沙助が丁度朝食を食べ終えた頃、食器を片そうと立ち上がった瞬間にインターホンが鳴った。 煉は玄関まで小走りで行き、鍵を回しドアを開けるとそこには里奈がいた。 「あれ? 制服に着替えてる! 今日は早いじゃん!」 いつもならパジャマを着た煉が出て来るのが定石だったが、今日は沙助に起こされ早くに学校に行く準備を終わらしていた為に里奈を驚かせた。 「ちょっと待っててすぐ行くから」 そう言って一旦ドアを閉め、待たせては悪いと思い急いでカバンを持ってくる煉。 そして玄関で靴を履いていると、横で沙助が当たり前のようについて行こうとしていた。 「ん? 沙助も学校に行くの?」 「当たり前だ。いつ襲われてもいいようにな」 成る程、と煉は呟き靴を履き終えると重要なことに気付く。 「里奈の前で喋ったりしないでよ。驚いちゃうから」 沙助を指差し念入るように言うと、返ってきたのは鼻で笑い小馬鹿にしたような表情。 「ふふん、拙者の言葉はパートナーにしか聞こえないのだ。だから一般人はニャーみたいな普通の鳴き声にしか聞こえないというハイパー仕様だ」 「へー、便利だね」 何故だか沙助に苛立った煉は素っ気なく返事をした。
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