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現在二人と一匹で登校中。
並んで歩く煉と里奈の後ろにはトコトコと沙助が何食わぬ顔でついてきている。
里奈が沙助を指差しながら不思議そうな表情をしたが、煉は想定内だ。
「煉、なんか猫がついてくるんだけど……野良猫に餌でもあげたの?」
「あー、いや、うん、餌あげたら家に住み着いちゃったんだよ」
この場合、餌に相当するのは自分なのかと自虐的なことを考える煉。
「そうなんだ。いいね、ペット」
苦笑いする煉の後ろで、案の定沙助が騒いでいる。
「ペットだと!? パートナーだ!! なんかペットだと弱っちぃ感じがするではないか!」
煉にはしっかりと言葉が聞こえていたが、パートナーではない里奈にはどう聞こえたのか、何故だか爆笑し始めた。
「あはははは!! 何この猫!! 鳴き声が犬みたい!」
「あ、あははは、そう、この猫鳴き声が可笑しいんだよ(僕もハイパー仕様とやらを聞いてみたいね)」
沙助が騒ぐ度に里奈が笑い出し、世間話を交えながら歩いていると校門が見えてきた。
流石に沙助は教室までは来ないみたいで、学校が終わるまで散歩すると言って、どこかに行ってしまった。
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