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煉はいつも通り授業を真面目に聞き、現在は昼休み。
昼休みは里奈と泰陽と一緒に弁当を食べるのが当たり前になっている。
煉が通っている高校は屋上が開いているため、三人で屋上にやってくると里奈は備え付けのベンチに、野郎二人は地べたに座りそれぞれお弁当を広げた。
「ノートは写した?」
弁当を食べながら煉は二人に聞いてみる。
「うん、おかげさまで!」
笑顔でそう答える里奈だが、写す量が沢山だった為結局二時間目の現国をまたいで終えたようだ。
その為泰陽は……
「俺はまだだよ。里奈ちゃんが書くの遅いからさぁ、ついさっき渡されたんだよ」
「てかいつも言ってるけど、ちゃん付けやめてくんない? やっぱり気持ち悪い……」
「仕方ないだろ!! 好きなんだからぁ!!」
照れた様子で言っていない所を見ると、言い慣れてるようだ。
「悪いけど泰陽はパス」
里奈は逆に断り慣れている様子。
「くそぉ! 今日も駄目かぁ!!」
「ハハハ。里奈にフラれたの何回目?」
この光景を見慣れている煉は泰陽にそう聞いてみる。
「今日で二十三回目だ! だが絶対に諦めない!」
「リアルな数字が嫌だ。それに私が泰陽に傾くことは100%ありえない」
「そう言ってる奴に限って実は俺のこと好きなん……!?」
煉から見ても分かる全国三位の里奈の殺気の込もった視線、泰陽は一瞬で萎縮していた。
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