◆一緒に◆

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「そういえばさぁ今日の朝のニュース見たか? 傷害事件がどうのこうのって奴」 泰陽が咄嗟に話を変え、朝ニュースでやっていた事件を話しだした。 「私も見た! 結構この辺だよね?」 「そうらしいぜ? 俺は帰宅部だから多分平気だけど、お前ら部活やってっから夜遅くに帰るだろ? 気をつけろよ」 泰陽が心配している様子で言うと、煉は自分が非日常に足を踏み入れたことを思い出す。 「怖いな……襲われなきゃいいけど」 煉は箸を動かす手を止めて、俯き加減でそう呟いた。 勿論、その言葉にはダークナイトに襲われることを含んでいる。 「煉が襲われたら私が守るから平気だよ」 里奈が得意げにそう言って右腕のバネから放たれる正拳を披露した。 「ぼ、僕だって平気だよ! 剣道やってるから!」 「まぁ二人がいれば犯人の方から逃げだすか。空手で全国三位の女の子と、剣道、県大会優勝の男子だもんな」 「そうよ。犯人は少年らしいから本気出せば余裕ね」
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