◆一緒に◆

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「んだよ……どんな奴かと思えばただのひょろそうな男じゃねぇか。しかも早速犯人呼ばわり……まぁ仕方ねーけどな」 少年はそう言ってパーカーのフードを外した。 若干右の前髪が長い黒髪の少年で、特徴的なのはその敵意丸出しのつり目。 煉は一瞬でその少年の威圧感に圧されてしまうが、負けじと強気に出た。 「僕に用があるのか?」 「まぁ、なかったらわざわざ立ち塞がんねーよ。そうだろ? セイバーナイトさんよ」 「!?」 朝に沙助が言った為この状況は想定してはいた、だが想定内の最悪な状況だ。 要するに目の前に立っているのは、事件の犯人でありダークナイト。 「ダークナイト……なんで喋ってるんだ。(猫に操られてないのか? そういえば猫もいない……僕もいないけど)」 煉が様々な思考を展開してる時、里奈が怯えながらも一歩前に出た。 「アンタが例の犯人?」 「ああ? アンタだと? 何様だテメェ。俺には《桐宇 孝地(キリウ コウジ)》っつう立派な名前があんだよ。つーか、テメェに用はねぇ。まぁ、邪魔するならぶっ潰すだけだがよ」 「やってみなさいよ!」 孝地の明確な敵意が里奈を動かしたのか、煉の前で守るように立つ里奈。 「ふん……《カヅチ》!!」 孝地がそう言うと、何処からともなく現れた黒猫が孝地の肩に乗っかった。
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