◆一緒に◆

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「はぁ、しゃあねーな……ダークナイトのリーダーは七つの隊を作った。その隊の隊長達はみんな猫に操られてねぇんだよ。自らの意志でこの戦争に望んでいるのさ」 得意げに言う孝地を見て、煉は眉間にしわを寄せる。 「そんなの……なんで……おかしいじゃんか」 「おかしい? この世界の常識はもうぶっ壊れたんだ。強い奴が生き残る、そんなシンプルな世界におかしいもクソもあるかよ!」 トンファーを構え地面を蹴る孝地、迎え撃つように煉は身構える。 接近してきた孝地がトンファーを振り下ろしてきたが、煉は刀を頭上に構え防いだ。 しかし同時にもう一本のトンファーが煉の脇腹目掛けて迫ってくる。 とにかく防がなきゃという思いから、煉はガードする為に咄嗟に左腕を構えた。 だが、トンファーを防いだ左腕から鈍い音が鳴り、味わったことのない激痛が煉を襲う。 「つっ……あああぁぁ!!」 「おらよ!」 顔面への回し蹴り、孝地の追撃が煉をまたもや吹っ飛ばさす。 煉は倒れたまま左腕の激痛でうずくまり立てなかった。 恐らく折れている、流石にトンファーの衝撃を生身で受けるには無茶があったのだ。 「あーあ、片腕じゃあ勝ち目がねぇな」 勝ちを確信したかのように言う孝地。 「ハァ……ハァ……(痛い痛い痛い! こんなのあんまりだ……逃げなきゃ殺される、とにかく逃げて……)」 その時、仲間が傷つくのを防げるのは君だけだ……そう言った沙助の言葉を思い出す。 そして、煉は激痛に耐えながらも孝地を睨みつけた。 「ハァ……ハァ……(一旦逃げて態勢を整えるんだ!)」 「一回退こう。逃げるなら学校とかいいんじゃないか?」 沙助も同じ考えらしい。
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