◆何者!?◆

5/26
前へ
/845ページ
次へ
――また遅刻か! 剣道部に所属しながらその遅刻癖はなんなんだ!? それに寝癖も直ってないじゃないか!! 武道をたしなむ者なら生活面でもしっかりしてもらいたいもんだな!! 大体、お前という奴は…… 煉は校門で待ち伏せをしていた生活科の鬼教師にたっぷり説教を聞かされた。 つまり、完全に遅刻したというわけである。 HRが終わり教室移動や授業準備で騒がしくなる時間帯に、煉は自分の教室に入った。 「よ、煉! また鬼教師に怒られたか?」 教師に入るや否や、煉に話しかけてきた少年。 明るい茶髪で前髪を上げていて、愛想のいいこの少年の名前は《空井 泰陽(ソライ タイヨウ)》。 性格は名前の通りだ。 「うん、怒られたよ」 不機嫌そうに言う煉に泰陽は笑う。 「ハハハ、だっせ! ってな訳でHR中に携帯鳴っちゃって鬼教師んとこ行けって言われたから行ってくるわ!」 「人のこと言えないじゃんか!」 二人は別れると、煉は自分の席に着きカバンを置く。 「やっぱり、遅刻ね」 すると、隣の席に座る先程煉の家に来たショートヘアーの少女が話しかけてきた。 彼女の名前は《木村 里奈(キムラ リナ)》 煉の幼なじみであり家も隣で席も隣という何か縁を感じる。 しかし、二人に恋愛感情はなく親友以上、恋人未満といった間柄だ。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加