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(駄目だ……体に力が入らない……)
「死ね、クソ野郎」
そしてトンファーを煉の頭に向けて振り下ろした。
しかし……
いきなりほうきが孝地の前方から飛んで来て、それは煉に振り下ろそうとしていたトンファーに当たった。
そのおかげでトンファーが煉の顔寸前で止まる。
そしてほうきを投げた張本人が廊下を歩いてきた。
それは里奈だった。
「てめぇ、あの時の……今更何しに来やがった」
「煉を助けに来た!」
力強い目をしながら里奈は言った。
「てめぇに何が出来る」
「煉を助ける事が出来る!」
「はぁ……てめぇから消すか……」
孝地はそう言って、煉の上からどくと、里奈の方を向いた。
「……り、里奈! 逃げろって言ったじゃんか!……」
「ちょっと煉は黙ってて!」
「そうだよ、黙っとけよ。後でちゃんと俺が消してや……!?」
孝地は目を見開き驚いた。
10メートル以上離れていた里奈が一瞬で目の前に来たからである。
「あんた……ウザイ」
「ぐあっ!?」
里奈は孝地を思いっきり蹴り吹っ飛ばした。
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