◆一緒に◆

24/35
前へ
/845ページ
次へ
(駄目だ……体に力が入らない……) 「死ね、クソ野郎」 そしてトンファーを煉の頭に向けて振り下ろした。 しかし…… いきなりほうきが孝地の前方から飛んで来て、それは煉に振り下ろそうとしていたトンファーに当たった。 そのおかげでトンファーが煉の顔寸前で止まる。 そしてほうきを投げた張本人が廊下を歩いてきた。 それは里奈だった。 「てめぇ、あの時の……今更何しに来やがった」 「煉を助けに来た!」 力強い目をしながら里奈は言った。 「てめぇに何が出来る」 「煉を助ける事が出来る!」 「はぁ……てめぇから消すか……」 孝地はそう言って、煉の上からどくと、里奈の方を向いた。 「……り、里奈! 逃げろって言ったじゃんか!……」 「ちょっと煉は黙ってて!」 「そうだよ、黙っとけよ。後でちゃんと俺が消してや……!?」 孝地は目を見開き驚いた。 10メートル以上離れていた里奈が一瞬で目の前に来たからである。 「あんた……ウザイ」 「ぐあっ!?」 里奈は孝地を思いっきり蹴り吹っ飛ばした。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加