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孝地は背後にいる里奈にすぐ気付き、トンファーを振る。
しかしそれも避けられた。
「沙助……里奈の武器って何なの?」
刀の姿の沙助に聞いた。
「あれは……多分ヒールリングという武器だ。空手娘の右腕に腕輪が付いているだろ?」
煉は沙助に言われ、孝地を圧倒的に押している里奈の右腕を見た。
そこには金色の腕輪があった。
「あれが武器なの?」
「武器とは言い難いが、一応武器だ。腕輪を付けた者は治癒術が使えるようになる。それに回復役がやられたら治療出来る者がいなくなるから、敵の攻撃を避けるための力として身体能力が3倍上がるんだ。避けるための力なんだが、空手娘を見るとそれを戦闘に特化させてしまったらしいな」
「さ、3倍!? 僕より強そうじゃんか……」
「うむ、心強い味方が出来たな」
一方、里奈の方は、攻撃せず避けることに専念していた。
流石に、空手で鍛えている里奈は無駄な動きが一切無い。
確実に孝地の体力を削っていた。
「ハァ……ハァ……すばしっこい女だ……クソったれ!」
孝地は疲れてきたためか、攻撃の後に隙が出来るようになってきた。
里奈はそれをしっかりと見ていた。
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