◆太陽と月◆

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翌日。 ガチャガチャ! ガタン! 朝のさえずり? が聞こえる。 沙助は必死で煉が眠る寝室のドアノブにジャンプしていた。 しかし、あともうちょっとのところで届かない。 「昨日はドアが開いていたのに! 何故閉めるんだ! 早く煉を起こしたいのに!」 ジャンプしてもなかなか届かないので、沙助は小さな椅子を持ってきた。 「これなら届くだろ」 椅子に乗り、思いっきりジャンプした。 沙助は限界まで両前足を伸ばし、何とかドアノブに届く。 そして、そのままドアノブを捻ると、ジャンプの勢いでドアが開き、部屋に入ることができた。 「やったー! ヤッホーイ! ドアを開けれたー! マジ、何この達成感!!」 達成感に酔いしれていたが、ドアを開けた目的を思い出す。 「そうだ! 煉を起こさなくては! 遅刻してしまう!」 煉はまたベッドに潜っていた。 沙助は煉が寝ているベッドの上に乗ると、大きく息を吸い込む。 「起きろーー!! モーニンだーー!! あんな罠で拙者を止めようなんざ三ヶ月早いわ!!」 しかし、幾ら叫んでも、起きないどころか、反応すらしない。 「あれ? どうした? 病気か?」 沙助は心配になり布団をめくった。 「!!」 そこにはバスタオルで作ったダミー人形があった。
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