◆太陽と月◆

3/48
前へ
/845ページ
次へ
「図りおったな!! 煉め!……だが、甘い……拙者には最強の味方がいる。さぁ目覚めよ!! 7時に開花する魔神よ!! 煉の位置を教えてくれ!!」 沙助はそう叫んだ。 そして煉は屋根裏で寝ていた。 枕もとには携帯を置いていたのだが、7時になった瞬間…… 《ジリリリリリリリン!!》 煉の携帯から目覚ましのアラームが大音量で流れた。 「うわ!? なになに!?」 煉は一瞬で跳び起きる。 そして屋根裏の下の部屋の沙助は、目をつぶって耳を澄ましていた。 《ジリリリリリリリン!!》 「うむ!? 天井から聞こえるということは、そこにいたかー! 煉!!」 沙助は昨日、煉の携帯をいじっていたら、アラームの機能を覚えたのだ。 「びっくりして、目覚めちゃったな~。沙助に負けるとは……」 煉は屋根裏からはしごを使い、下の部屋に降りてきた。 下には満足な顔をしている沙助がいる。 相当機嫌が良さそうだ。 「煉、おはよう!!」 「……おはよ」 逆に煉は機嫌が悪いようだ。 「拙者の勝ちだな。早く学校に行く支度をするのだ」 「わかったよ……」 まだ寝足りなかったのか、眠そうな顔をしながら煉は制服に着替え始めた。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加