◆太陽と月◆

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制服に着替え終えた煉は、テレビを見ながら朝食を食べていた。 テレビでは詐欺事件などのニュースがやっている。 「最近、詐欺とか殺人とか物騒だなぁ」 ニュースの内容に呆れた感じで煉は呟いた。 「ふむ、悪い事をやってもメリットなど無いのに……お袋さんはきっと泣いているぞ」 「お袋さん?……どこで覚えたんだよ、そんなセリフ」 「昼ドラで言っていたな」 「見てるんだ……」 朝食を食べ終わった煉は二階の自室に行き、学校に行く支度をしていた。 その時、 「おはようございます。煉さん」 菊が窓から入ってきた。 「猫って窓から入るのが当たり前なの?」 「いえ、そんなことはございません。ついノリで……じゃなくて、里奈様から伝言を預かって参りました」 「伝言? どうしたんだろ」 「里奈様は昨日の戦いで全身筋肉痛になったらしく、動くのも辛いらしいのです。今日は学校をお休みするので、担任の先生に適当にごまかしといて、とのことです」 「わかった。じゃあ今日は帰りに様子見に行くかな」
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