◆太陽と月◆

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その後、煉は支度を終え沙助と一緒に家を出た。 そしていつもの通学路を歩いていると…… 「じゃあ拙者は仲間を探しに行ってくる」 「……」 煉は聞いてないフリをする。通学路には他の生徒もいるため、沙助と喋ることは出来ないのだ。 「おい! 無視か!? 拙者は行ってくるからな!」 「………(外歩いてるときは喋れないってば! 変人に思われるだろ!)」 「じゃあいーよ! 拙者はもう行っちゃうから! 行ってらっしゃいも言えないとはギックリだよ!」 「………(ギックリじゃなくてがっかりだからね!)」 そうして沙助はプイっと顔を煉から背け、拗ねた感じで家の塀を上りどこかへ行ってしまった。 沙助が仲間探しへ行った後、後ろから誰かに肩を叩かれる。 煉が後ろを向くと、そこには見慣れたもう一人の親友が笑顔で立っていた。 「おはよう! 煉!」 「おはよう、泰陽。嬉しそうだけど何かあったの?」 「おう! 今日は占いが1位だったんだよ! マジ感動だぜ!」 そう言って、泰陽は煉と並んで歩き始めた。 「今日は里奈ちゃんいねぇの?」 「うん。今日は休みだってさ」 「マジかよ!? 学校行く意味無いじゃん! マジ今日ツイてねぇー」 「ハハハ……(里奈の為に学校行ってんの!?)」
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