◆太陽と月◆

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泰陽と世間話をしながら、学校に向かった。 学校の校門を通り、教室に着くと、人が少なく、煉と泰陽を合わせても5人程度だった。 席に着いてカバンを置きながら、泰陽が話題を変える。 「俺ら、今日早く来過ぎたな」 携帯の時計を見ながら泰陽は煉に言った。 「そうだね。明日からもうちょっと寝よ」 「明日と言えばさぁ、授業公開期間始まるよな?」 「そうだっけ? まぁ僕の親は来れないけど」 「煉の親は海外行ってんだっけ?」 「うん、仕事でね」 そして、その後もしばらく泰陽と会話しているうちに教室にはほとんどの生徒がやってきた。 そして…… ホームルームが始まることを知らせる予鈴が鳴り、担任の先生が入ってきた。 「おはよう。明日生徒の親が来たりすっから今日は大掃除するらしい。部活も無いからなー。それじゃあ出席確認始めんぞー」 先生はそう言って、生徒の名前を呼び始める。 「大久保ー」 「はい」 「香山ー」 「はい」 「狩山ー」 「ういー」 「木村ー……ん? 木村は来てないのか? 誰か知ってる奴は?」 煉はすぐさま手をあげる。 「えーと、里奈は風邪で休むって言ってました!」
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