◆太陽と月◆

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「木村は風邪っと……次は草野ー」 「うぃ」 先生はその後も生徒の名を呼び続け出席確認を終わらせると、生徒の名簿を脇で抱える。 「HRはこれで終わりだ。一限目の準備しろよー」 そう言って先生は教室を出て行った。 先生が教室を出た後、泰陽が煉の所にやって来た。 「里奈ちゃん、風邪だったのか。今日帰りにお見舞い行こうぜ? 部活は無いんだろ?」 「うん、僕も行くつもりだったよ」 「よし、決定!」 泰陽が笑顔でそう言った時、先生が戻ってきて泰陽を指差す。 「空井ー、お前は帰りに職員室寄ってけ。話がある」 泰陽は驚いて再確認の意味で自分を指差す。 「俺っスか!?」 「お前だ。別に悪い事で呼んでねぇから心配すんな」 そして、また先生は教室を出て行った。 泰陽は訳が分からないとでも言いたげに首を傾げる。 「俺、何で呼び出しくらったんだ?」 「泰陽がわからなきゃ、僕にもわからないよ」 「だよな。まぁいいや! 今日は里奈ちゃんがいないからずっと寝てよっと!」 「はぁ……授業態度で呼ばれたんじゃないのかなぁ」 煉は呆れながら泰陽に言った。
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