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「あの時はウケたなぁー。煉ガッチガチだったもんな」
「仕方無いじゃんか。自己紹介とか苦手だもん」
「自分の名前噛んでたもんな! ハハハ! 思い出し笑いしちゃうな」
二人は住宅街を歩いて行き、里奈の家に着くころには夕方になっていた。
煉は玄関の前に立つと人差し指でインターホンを押す。
すると……
玄関のドアが開き、里奈のお母さんが出て来た。
「あら! 煉ちゃん、お見舞いに来てくれたの?」
「はい、そうです」
里奈のお母さんは泰陽に気付くと不思議そうな表情をする。
「そちらの男の子は?」
「僕の友達の空井 泰陽です」
「はじめまして! 泰陽って呼んで下さい!」
泰陽は何故か張り切っている。
恐らく里奈のお母さんだからだろう。
「じゃあ上がりなさい。里奈なら自分の部屋にいるから、煉ちゃん、部屋の場所はわかるわよね?」
「はい、大丈夫です」
そして二人は玄関に入ると靴を脱ぐ。
「お邪魔します!」
「お邪魔しまーす。ちょ、靴揃えてよ、泰陽」
煉が泰陽の靴を揃えると二人はは二階に続く階段を上り、里奈の部屋に向かった。
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