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「それはそうと、菊のヒールリングで里奈を治すことは出来ないの?」
煉はずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
「無理みたいね。ヒールリングは怪我を治す武器だけど、私のは怪我じゃなくて、ただの疲労だから」
里奈が菊から聞いたヒールリングの説明はまず肉体強化。
それと怪我を治す治癒術が使えるようになる事。
しかし骨折ぐらいまでなら治せるが、腕を生やしたり、病気を治すことは出来ないというものだった。
「そっか……じゃあ早く良くなるといいね」
「うん、ありがと」
その時、いきなり菊がベッドの下に潜り込んだ。
「どうしたの?」
里奈が聞くと、
ピンポーン!
誰か来たようだ。
「えっ? まさか泰陽!?」
隣町まで最低でも1時間はかかる為、あまりの早さに里奈は驚いた。
「泰陽じゃないと思うけど、早く来過ぎだもん」
煉は泰陽ではないだろうと思ったが、
バンッ!
里奈の部屋のドアを勢いよく開け、息を切らした泰陽がやって来た。
「里奈ちゃん! ファンタ持ってきた! しかもオレンジ!」
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