◆太陽と月◆

13/48
前へ
/845ページ
次へ
「それはそうと、菊のヒールリングで里奈を治すことは出来ないの?」 煉はずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。 「無理みたいね。ヒールリングは怪我を治す武器だけど、私のは怪我じゃなくて、ただの疲労だから」 里奈が菊から聞いたヒールリングの説明はまず肉体強化。 それと怪我を治す治癒術が使えるようになる事。 しかし骨折ぐらいまでなら治せるが、腕を生やしたり、病気を治すことは出来ないというものだった。 「そっか……じゃあ早く良くなるといいね」 「うん、ありがと」 その時、いきなり菊がベッドの下に潜り込んだ。 「どうしたの?」 里奈が聞くと、 ピンポーン! 誰か来たようだ。 「えっ? まさか泰陽!?」 隣町まで最低でも1時間はかかる為、あまりの早さに里奈は驚いた。 「泰陽じゃないと思うけど、早く来過ぎだもん」 煉は泰陽ではないだろうと思ったが、 バンッ! 里奈の部屋のドアを勢いよく開け、息を切らした泰陽がやって来た。 「里奈ちゃん! ファンタ持ってきた! しかもオレンジ!」
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加