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その頃泰陽は……
「あ~、ファンタ買ってきた後の記憶がイマイチだな。俺、里奈ちゃんに何されたっけ」
泰陽は気絶した時の記憶が少し無かったようで、必死に思い出しながら家に帰ってる途中だった。
泰陽はマンションに入り、エレベーターに乗った。
15階までのボタンがあり、泰陽は10階のボタンを慣れた手つきで押す。
10階に着き、エレベーターの出入り口の真ん前にあるドアに向かう。
カギを開けて、玄関に入り、
「ただいまー!」
「おかえりなさい」
出迎えてくれたのは泰陽のお母さんだった。
泰陽は靴を脱ぐや否や、
「腹減ったー! 今日のメシなにー?」
「そんなことより、今日は華月が帰って来たわよ!」
「え!? 兄貴が!?」
泰陽は直ぐさまリビングに向かうと、ソファーに座っている金髪の青年がいた。
青年は泰陽に気付くと、
「よ! 久しぶりだな、泰陽」
青年は片手を上げ挨拶をする。
「おかえり! 兄貴!」
彼の名前は《空井 華月(ソライカヅキ)》
泰陽の実兄で、22歳。
専門学校を卒業してすぐに家を出て美容院に就職した。
スポーツ万能、成績優秀で顔立ちが整っているためかなりモテる。
泰陽がかなり尊敬している人だ。
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