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「いきなり帰って来るなんて、どうしたんだよ?」
「ちょっと用事があってな。それより、今日はプレゼントがあるんだよ。ほら」
そう言って、華月が持ってきたのは、1匹の猫。
「猫?」
「そう猫。前に2匹の猫を飼い始めたんだけど、2匹は予想以上に面倒見きれなくてさ。1匹預かって貰おうってわけ」
泰陽は茶色い毛の猫を抱き抱えて、
「名前は?」
「ん……名前か……泰陽が決めていいよ」
「俺!?……分かった考えとく。そんで兄貴はいつまでここに泊まれるの?」
「泰陽の学校は、明日授業公開日なんだろ?それ見たら帰るよ」
意外と早く帰る事を知った泰陽は少し悲しい顔になった。
「早いな……じゃあ今日はたくさんゲームして遊ぼうぜ?」
「ああ、分かった。とことん付き合ってやるよ」
華月は苦笑いしながら、そう言った。
「今日は華月がいるから出前取るわよー!」
泰陽のお母さんはテンションがハイになっていた。
「やったーー!? 兄貴が帰って来るといいこと尽くしだな!……親父は?」
空井一家は夜までテンションがハイの状態で騒ぎまくっていた。
華月が猫を渡す時、不気味な笑みを浮かべていたことは誰も知らない。
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