◆太陽と月◆

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しばらく歩いて行くと、グランドが見えて来た。 いつでも戦えるように、沙助は煉の、菊は里奈の肩に乗っかった。 そしてグランドの向こう、遊具の近くのベンチに人が座っている。 学校で一度見たことのある金髪の青年だ。 青年、いや華月は煉達に気付くと、ベンチから立ち近付いてきた。 「こんにちは。俺のことは知ってるよね」 華月は煉達の5メートルぐらい離れたとこに立ち、笑顔でそう言った。 「泰陽のお兄さん!?」 里奈は驚いて、華月を指差しながら言った。 「ん? 男の子の方は驚かないの?」 「相手がどんな人でも、油断はしない」 煉は華月を睨み、いつでも武器を出せるように構えていた。 「今回は戦いに来たわけじゃないよ。桐宇を倒した人がどんな人か見に来ただけさ」 「それでも、あなたは一応ダークナイトだ。油断は出来ない」 「俺が泰陽の兄貴でも?」 「僕が斬るのはあなたじゃない。ダークナイトだ」 華月はため息をつき…… 「お前を斬るだってよ、笑っちまうな」 華月が近くの草の茂みを見ながらそう言うと、1匹の猫がそこから出てきた。
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