◆太陽と月◆

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この煉達と華月のやりとりを、泰陽が木の陰に隠れて様子を見ていた。 (あれは……兄貴!? どういうことだ!? 何を話してんだよ) 泰陽は隠れながら会話が聞こえる位置まで近付いた。 華月の言った《計画》という言葉に煉は疑問を持つ。 「計画?……世界征服のことか?」 「世界征服?……あぁ、それは猫の世界のことだろ? 俺達の目的は違う」 「……目的?」 その時、弓晴が華月の肩に乗っかった。 華月に不満があるのか、眉間にしわを寄せている。 「おい、華月。それ以上は……」 華月は手で晴の口を塞いだ。 「あまり教えることは出来ないが、ダークナイトは世界中にいる。そして俺達のリーダーは日本人だ。 …… …… …… 目的の第一段階で、まず日本が被害に遭うだろうな」 「第一段階? ってことはいずれ外国も何らかの被害に遭うのか?」 華月は微笑して…… 「悪いな。これ以上言うと弓晴に怒られる」 華月は弓晴の口を塞いでいた手をどけた。 まだ華月はダークナイトの目的を核心に迫るまで話していない。 ダークナイトは、裏切り者に対して厳しい為、華月は元から話す気はなかった。 弓晴もそれを知ってか、何も言わなかった。
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