◆何者!?◆

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「えーと、とりあえず……」 煉は猫を隅々まで見回し電源を切るスイッチ的な物を探す。 しかし、何処にもそのような物は見つからない。 「このおもちゃ、スイッチ何処にあるんだろう」 「ちょ、ちょっと待て! お主、本当に拙者がおもちゃだと思っているのか?」 「うん」 全く何も疑わぬ表情で即答する煉。 余りに緊張感が無いというか、驚きが無いというか、とにかく想像とは違った煉のリアクションだったのか、猫は口をポカンと開けている。 「いいか? 拙者はおもちゃではない。拙者は異世界から来た武器猫と呼ばれるものだ」 「あ、そうだ、里奈と待ち合わせしてたんだ。こんなとこにいないで早く持ち主のとこに行きなよ?」 そう言って煉は校門に向かう為に後ろに振り返る。 すると、後ろに振り返った直後に体に軽い衝撃が走り一歩退く。 どうやら人にぶつかってしまったようだ。 煉はすぐにその人から離れ頭を下げた。 「す、すいません! ……?」 謝った直後に気づく。 煉がぶつかった人は帽子を被った40歳ぐらいの小太りの男性だ。 しかし、煉が注目したのは男性ではなく、男性の肩に乗っている不気味な猫。 「(な、なんだ、この猫。凄い嫌な感じがする)」 猫を見た煉の率直な感想だ。
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