◆太陽と月◆

30/48
前へ
/845ページ
次へ
「はぁ……(適当にあしらって帰るか)」 華月はため息を吐くと、弓晴に手をかざす。 そして弓晴から弓を具現化した。 「……里奈、あくまで猫を狙おう」 「分かってる」 そして二人が走り出そうと身を構えた瞬間…… 「……どういうことだ!!」 泰陽が木の陰から出て来た。 顔に怒りや悲しさを浮かべながら。 実の兄貴が殺人を犯したという現実を受け入れられないようだ。 「泰陽!?」 煉と里奈は驚いていた。 「泰陽、来てたのか……」 華月はあまり驚いていないようだ。 「どういうことだ! 何なんだよ、この状況は! 何で変な猫飼ってんだよ! 全部説明しろ!」 泰陽は眉間にしわを寄せて、この場にいる全員に言った。 「泰陽これは……」 里奈が説明しようとすると…… 「これは武器猫だよ。お前にもあげただろ?」 華月の言葉を聞いた煉は、ある一つの不安を感じる。 「弟をダークナイトにするつもりか……?」 泰陽は昨日の出来事を思い出す。 「あの茶色い猫……あれも変身して武器になるのか? あれで兄貴は人を殺したのか?」 「……あぁ、そうだ」
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加