◆太陽と月◆

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「嘘じゃねぇのかよ……」 泰陽は俯いて、人を殺したという事実を否定しなかった事に悲しんだ。 その時…… 「前を向くしかないっスよ」 一匹の茶色い猫が泰陽の目の前に来た。 「お前……兄貴にもらった猫……」 この光景を見て、華月は顔に笑みを浮かべた。 「兄弟の血は争えないな。やっぱりお前も選ばれたか」 「!?……煉! あの猫はセイバーナイトだ!」 沙助は刀の状態で、茶色い猫の事を言った。 「えっ? じゃあ何で泰陽のお兄さんはセイバーナイトの猫なんか持ってたの?」 里奈は疑問に思って、華月の方を見る。 「それはお前らには知らなくていいことだ」 華月はそう答えた。 そして泰陽は、猫を持ち上げ目線を合わせる。 「お前も変身するのか……?」 「そうっスよ。正確にはあなたが俺を変身させるんスけどね」 「……煉も里奈ちゃんもお前みたいな猫を飼ってるのか?」 「そうみたいっスね。もちろん仲間っスよ」 「……兄貴は悪い奴なのか?」 「それは俺が決める事じゃないっスよ。誰も見方によっては善にも悪にも見えるっスからね」
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