10773人が本棚に入れています
本棚に追加
「……それだけ分かれば充分だ」
泰陽は華月の方を見た。
その目は何かしらの決意に満ちている。
「泰陽、危ないから下がってて」
煉は泰陽の前に出て刀を構える。
しかし、更に泰陽は煉の前に出た。
その際、茶色い猫が泰陽の肩に乗っかった。
「煉達が下がっててくれ」
「事情もよく分かってないのに戦うなんて無謀だよ!」
「事情?……どうでもいいよ……ただ、俺は目の前にある事実を否定したいだけだ」
そして泰陽は見様見真似で肩にいる猫に手をかざす。
猫は光り始め、その光は泰陽の両手に集まった。
光が消えると……
「俺にはぴったりの武器だな……」
泰陽の両手には拳銃が握られていた。
「二丁拳銃か……」
華月は顔に笑みを浮かべながらそう呟いた。
「マガジンが無い……」
泰陽は銃を見ながら言うと……
「イメージするっス。マガジンを作るイメージっス。残念ながら弾は無限じゃないっスよ。体力を削って弾を作るんで、ペース配分に気をつけるっス」
それを聞いた泰陽は、いつの間にかある腰のホルダーに拳銃をしまい、胸元に手をあて、イメージする。
一瞬、体のだるさを感じた後、手には二つのマガジンがあった。
最初のコメントを投稿しよう!