◆太陽と月◆

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「くらえ!」 泰陽は華月に向かってひたすら発砲する。 「下手な鉄砲でも数打ちゃ当たるってか? 悪いがそんなに甘くないぜ?」 華月は最小限の動きで全てかわした。 「くそ、なら……」 泰陽は地面を蹴り、華月に接近する。 「おいおい、肉弾戦ならさっきの二の舞だぞ?」 「二の舞なんかにはならねぇ!」 泰陽は走りながら砂を拾い、華月の顔に向かって投げた。 「うおっ!?」 砂は華月の顔にかかり、一瞬怯んだ。 「今だ!」 すかさず二発発砲したが、弾は空を切る。 華月は一瞬で泰陽の背後に移動し、弓を構えていたのだ。 「速い…………」 「経験の差だな」 華月は矢を当てた弦を引いていて、弦から手を離せば、泰陽の後頭部を貫ける状態だ。 「……その弓も、体力削って矢作るんだろ?」 「あぁ、そうだ」 「だと思ったよ……まぁ、いいや……とりあえず相打ち上等だ!!」 泰陽は後ろを向き、すかさず発砲しようとしたが…… 「うぐっ!?」 腹を思いっ切り蹴られ、吹っ飛ぶ。 そして、近くにあった木に衝突し、後頭部を強く打ったため気絶した。
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