◆太陽と月◆

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「ハァ……ハァ……泰陽より?」 「そう。煉って言ったか? お前には勢いがまるで無い。フリしてるだけだ」 「…………!?」 煉は目を見開き動揺する。 この時、華月の言っていたことは図星だった。 煉は剣道でも試合になると強気に見せる。 そうしないと、プレッシャーや緊張感に押されてしまうからだ。 「それにお前、まだ心の底では恐怖を捨て切れてない」 煉は言われて気付いた。 刀を持つ手が震えている。 「……それでもやるしかないんだ!!」 煉はまた華月に突っ込む。 「お前みたいな性格の対処方は分かってるよ」 「うおぉぉぉ!!」 その時、里奈は泰陽を診ていた。 里奈は腕輪のしてる方の手を泰陽にかざし…… 「菊、どんな感じ?」 「肋骨が折れてます。他に外傷は見当たりません」 腕輪の姿で菊は言った。 里奈は泰陽の折れた肋骨辺りに手を当て…… 「《ヒール》」 里奈の手は光り始め、光り終わる時には泰陽の肋骨は治っていた。 「よし、煉の加勢に行かなくちゃ!」 煉達の方を見ると、二人は鍔ぜり合いの状態になっていた。
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