◆太陽と月◆

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その瞬間…… 華月の人差し指が光り、煉の脇腹を光線が貫いた。 そして煉は膝から倒れ…… 「ああぁああぁぁあぁ!!」 今まで感じたことの無い余りの痛みに叫んだ。 (痛い! 痛い! 痛い! 痛い!!) 服の脇腹の部分が血で滲んでいく。 「煉!?」 里奈は煉の元へ、走ろうとしたが、華月が立ち塞がる。 「邪魔!!」 「言われなくても分かってるさ。早く治療してやれ。急所じゃないが、大量出血で死んじまうぜ?」 そう言って華月は、森羅公園の出口に足を向けた。 「……あなたは何がしたかったの? 何で夜でもないのに…… 里奈は思わず聞いた。 華月は立ち止まり里奈に背を向けたまま答える。 「昼は学校やら仕事やらで忙しいんだ。だからダークナイトはほとんど夜に活動する。そんで俺は…… …… …… …… 弟の顔を見に来ただけだ」 華月は弓から手を離し、猫に戻った弓晴は華月の肩に乗る。 そして、華月は歩いて行った。 華月が見えなくなると、里奈はすぐさま煉のところに駆け寄る 「大丈夫!? いまから治療するから待ってて!」 そう言って、傷口に手をかざす。
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