5人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここよりよっぽどとか・・『キャッ!?』」
俺の反論はレオナの小さな悲鳴によりかき消された。
「ねぇちゃん!」
ティオの悲痛な叫びがあたりに響く。
「ふはははっは!この娘は紅の実験に必要であるからして我々がいただいていくぞ!」
そういうとその紅色の趣味の悪いスーツを着た男はレオナを抱えて風のように消えてしまった。
「ねぇちゃん・・・」
「なぁ・・・?一つ聞いていいか?」
俺はティオに尋ねた。
「あぁ。なんでおいつらがねぇちゃんをさらったかだろ?それは・・」
「違う。」
俺はティオの言葉をさえぎった。
「え?」
「お前はあんな趣味の悪い服着た三流悪役と恐れ多くも俺様をかんちがいしたのかっ!?💢」
「・・・・・・・・・は?」
ティオの目が点になっている。
「そうだけど・・いまはねぇちゃんを・・・っていたたたたなにひゅるんひゃ!?ほっふぇをひっぱるふぁー!」
「うるさい!俺はむかついてるんだ!あんな変なやつらと勘違いされた上に俺の飯を掻っ攫いやがって!食い物の恨みは怖いぞ!」
「・・・ユウト・・・あんたの頭の中には自分のことしかないのか?」
ティオがあきれたように言う。
「当然!人間みな自分が可愛い!」
自信満々力いっぱい俺は言った。
「・・・・・・・。」
ティオはもう何も言い返さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!