出会い

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「――お願いの内容は?」 朝比奈は、思わずため息を吐いた。 面倒臭がっている事は、表情を見れば一発で分かる。 千秋は朝比奈を指差した。 「期末考査の点で、勝負してくれない?」 ありきたりなお願いだったが、まさか人前で大声で言われるとは思わなかっただろう。 「別に、いいけど」 朝比奈は、何とも嫌そうな顔で了承した。 只今、教室内の注目の的だ。 朝比奈は、自分に視線が集まる事を極端に嫌う。 「十教科、合計1000点満点。今回は勝つから!」 朝比奈は、再び大きな溜め息を吐いた。 そして、静かにこう言い捨てた。 「ま、頑張って」
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