670人が本棚に入れています
本棚に追加
――――〝2位〟
その数字が予想を嘲笑するかのように、目に飛び込んできた。
何度見ても、名が上から二番目に書かれている。
「何で……、また2位」
千秋は肩を落とした。
5位や6位より、2位の方が千秋にとっては悔しいのだろう。
「ところで、何でアンタだけ男子の順位に入ってるのよ」
女子の順位は横の紙に書いている。
そこに『八尋 千秋』の名はなく、何故か男子の方に書かれてある。
男子の順位に入れられている事自体は、別に良いのだ。
そこで2位なのが、千秋にとって悔しいらしい。
女性なら断トツで首位なのだが。
「いったい1位は誰よ!?」
1位の欄には『朝比奈 火』と書いてある。
無論、男だ。
名前だけで、既に只ならぬオーラを漂わせている。
「あさひな……、ひ?」
千秋は読み方が解らず、菜摘の顔を見た。
最初のコメントを投稿しよう!