ねーちゃん

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賢太ともう1人、冨岡とファミレスで夕飯。 賢太と冨岡はめちゃくちゃ喋る。 俺はたまに話すくらいで、気張らなくていいから楽だ。 「修の女の噂とか聞かねーけど、気になる奴とかいねーの?」 冨岡が、わくわくっと効果音が付きそうな表情で尋ねてくる。 女…ねぇー。 「いないな。お前ら見てるとそーゆー意欲減退してくる」 「ひっで!」 「俺らの所為じゃないだろ!」 2人は楽しそうにケラケラ笑う。 「何げにモテるんだもんなぁ…こいつ…」 「血の滲むような努力がすんげー無駄って思えてくる…。不平等だぁあ!」 賢太が頭を抱えて嘆く。 十分モテてんだろ。 今の彼女で付き合ったの何人目だ!って話だ。 「お前らの方が経験豊富だろ」 「そーれーはー、頑張ってますからね!」 「修は女が寄ってきても、全然相手にしねーんだもん」 「そーか?」 「天然なのか?!アプローチに気付いてないのか?!」 今後は冨岡が頭を抱える。 「昔から告白されてもすぐふるだろ、あれはなんでよ?学園のアイドル真菜ちゃんとか!」 賢太が勢いよく質問する。 後で聞いたが、真菜とは、中学時代賢太が狙ってた女の子だったらしい。 告白… まぁ、何回かされたけど正直あまり覚えてない。 「初めて喋るような子にいきなり告られても、はい、とは言わねーよ、普通」 「そーか?可愛けりゃ全然オッケーじゃん!」 賢太はすげーと思う。 俺には無理だな。 「修は昭和男だよな、石原裕次郎とか」 「ハードボイルドか!やっぱ硬派がモテんのか!」 「お前らが軽いだけだって。俺は絶対標準だ」 「「ないない!!」」 2人そろって同じ手振りで否定する。 双子コンビかお前ら。
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