脱衣場で

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「何やってんだ由衣!」 由衣は俺が来たことを初めて知ったようで、ゆっくりと顔を上げてこっちを見た。 「隆也…くん……はよぉ」 「はよじゃねぇよ!何してんだって聞いてんだろ!」 「ん、…熱かった、から」 「…っ」 由衣の顔は真っ赤だ。 目がとろんとしてるし動きもぎこちない。 とりあえず冷水を出し続けているシャワーを止める。 「…ぁ」 止めるなってか?! 「こっち向け」 「ぅぅ…」 由衣の額に触れて、自分の額の体温と比べる。 …熱い。 すごく熱い。 あんなに冷たい冷水を浴びてたのにこんなに熱いっておかしくね? 「ぅぁ、」 腕掴んで引っ張って立たせようとしたけど、由衣はふらついて立てないようだ。 力全然入ってねぇ。 かなりひどいな… 「立てない?」 「立、てる」 「嘘言うなよ。力入ってない」 「そ…なこと、ない、っ」 由衣は壁を支えにして立ち上がろうとする。 ゆっくり、辛そうに。 「…ごめ、なさい。隆也く…先、行ってて、私も、行くから」 「そんなんで学校なんか行けるわけねぇだろ!今日は休め。俺が連絡しとく」 「で、も」「由衣は寝る!薬飲んで寝る!」 腕を引っ張って連れてこうとしたが、由衣の体勢は崩れた。 俺の方へ倒れ、そのままずるずると下がる。 何かに掴まろうとするが、力が無く掴めない由衣の腕をとる。 「ん…」 相変わらず肩で息をしていて辛そうだ。 誰か世話してやんねぇと飯も食えねぇだろ、こんなんじゃ… 親いねぇし、仕方ない。 俺も休んで一日看病してやるか。 「由衣。ちょっと待ってろ」 一旦由衣から離れ、タオルを探し、取り出す。 あんなビチョビチョのままじゃまずい。
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