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着替えを持ってきて、由衣に渡す。
「そこら辺の適当に持ってきちまったけど、いいよな」
「うん…ほんとに、ごめんね…?」
さっきから何回目だよ…
っとに…
「次それ言ったら帰るからな」
「うん…ごめんなさい…」
全く聞いてねぇ……
「まだ朝飯食ってねーだろ?」
由衣はこくりと頷く。
「適当に作ってるから、その間に着替えてろ」
「うん…」
俺が立ち上がろうとしたとき、由衣が何か言った。
声が小さくて聞き取れなかった。
「?」
「……待って、て」
「は?」
さすがに着替えは手伝ってやれない。
何言ってるんだ?
「……近く、いて欲しい…」
「――はぁ…、廊下にいるから。安心しろ」
そう言うと、由衣は苦しそうながらやわらかく笑った。
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