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「………」
「熱くないか?」
「……うん」
リビングのソファーに由衣を座らせ、ドライヤーで髪を乾かしている。
自分でやるから大丈夫だとか言ってたが、聞いてやらない。
今だって肩で息をしていて、苦しそうだし、全然大丈夫じゃない。
「……隆也くん」
「ん?」
「も…いいよ…。だいじょぶ…」
「はいはい。大丈夫じゃないから。大人しくしてろ」
「……うぅ」
由衣が小さく唸る。
なんか可愛かったので、頭を軽くぽんぽんする。
「ん……」
「っとに…こういう時くらい人に頼れ」
「……」
「分・か・っ・た・か?」
また頭をぽんぽんする。
由衣は肩をすくめて、小さく頷いた。
「よしっ」
髪はすっかり乾いたので、仕上げに梳いてやった。
柔らかくて、さらさらして、綺麗だなーとか思ったのは秘密にしとこう。
「じゃ、待ってろ。飯作る」
「…うん」
粥でいいか。
キッチンに向かった。
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