樹脂高生

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放たれる拳がスーツの男の腹部に深々と入った。 唸る男は床にへばりついたガムのように固く、動かなかった。          † はぁ…… 私は心の中でため息をついて男の腹を、力一杯殴った。 ため息の理由はあまりにも遅く面白みに欠けていたからである。 倒れこんだ男を放っておいてとりあえず男女に顔を向けた。 すると対照的な反応が待ち受けていた。 少女は目をらんらんと輝かせて私を見ていた。 少年はガタガタと振るえながら…… とまではいかないが、怯えているようだった。         †
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