樹脂高生

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プルルプルルという呼び出し音。 数秒する間もなく懐かしい声が、 聞こえだした。 「もしもし受験また落ちたんだってねぇ……。」 落胆した声の主は母親の静子(しずこ)。 パートなどで小遣いを稼いだりしている主婦だ。 「仕方ないだろ……」 と返答する俺はアキラ。 「こっちには戻らないのかい?」 「まだ予備校あるから無理だよ!」 軽い言い争いのようになり始めた。 だがこんなのすぐ終わってしまうのだ。 「じゃあ今度の仕送りは当分無しね!」 ブツンと強制的に会話は終了。 ほら予想通りだ。         †   
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