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「……ヨシ」
艶っぽい長い髪と同じ、強い光を放つ漆黒の瞳が、容赦なく覗き込んでくる。
何故かその目を見詰め返す事が出来ず、明良の目線は首筋の辺りをさまよった。
「ヨシ」
少年は更に一歩近付き、今度は語気を強める。
やっと少年が自分の名前を言っている事と、僕の名前を聞いている事に気付いた。
「……あ、明良」
ぽそっと呟き、ゆっくりと目を上げると、ヨシは人懐っこい笑顔を浮かべていた。
「先に戻ってな」
肩に乗せていた鷹を家に帰らせると、更に一歩近付き腕を掴んできた。
「アキラ」
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