いち

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 窓の外の風景が、人工的な角張った物から緑の多い自然なものへと移り変わっていく。  新幹線から電車に乗り換えて、ゆうに2時間は経っているだろう。規則的な間隔で振動が伝わってくる。  高埜明良(タカノアキラ)の足元には大きな旅行鞄が1つ。  夏休みを利用して田舎の祖父の家に行く……というのは建前で、明良が居ない内に話をまとめようとしている両親に追い出されたようなものだった。 .
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