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明良が一歩踏み出した時、何処からか指笛が聞こえて来た。
自然と音のした方を目で追うと、白い鷹は音もなく、飛んで行った。明良は、祖父の家の事などすっかり忘れて、夢中でその鷹を追って行った。
何度か見失いかけながらも鷹を追っていると、気付けば山の奥深くに入り込んでいたらしく、既に人が通れるような道は無くなっていた。戻ろうにも、何処をどう進んで来たのか分からず、半ば妬けになりながら進んで来たのだったが……。
見渡す限り緑が生い茂っていて、木々の合間からキラキラと、木洩れ日が揺れている。
綺麗…、
明良は暫らくの間、全身で自然を感じていた。
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