いち

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 再び、今度はかなり近くから指笛が響き、羽ばたく音がした。 「あっちだ、」  音のする方へ近付くと、人が一人通れるくらいの小さな穴があった。  明良は鞄を側に置き、四つん這いになって穴を通り抜けると、そこには一つの空間があった。  穴に入る前は、至る所に草木が生い茂っていたのだが、そこだけ、草木が避けるように地面が素肌を見せていた。  その空間に立ち尽くしている明良の目の前に、どこからともなく、一人の少年が現れた。  その瞬間、明良の瞳はその少年に吸い寄せられた。 .
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