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少年の声は心地が良くて。
すんなり、明良の中に入ってきた。
目の前の少年は、言われた通りに口を噤んだ明良に微笑みかけると、空を見上げた。
すっ、と瞳を細め、指を咥える。
…あっ…、
少年が唇に挟むその指は、今の今まで明良の唇を押さえていたもので。
間接キスなんてどうってことないのに。
何でこんなに意識してるんだろう…
なんて、考えていると。
「!?」
辺りに響く高い音。
さっきの指笛はこの少年が鳴らしていたのだ。
少年は咥えていた指を離し、右腕をかざした。
何処からか白い鷹が舞って来て、そのまま静かに少年の腕にとまった。鷹を肩に携えた少年は、音も無く明良に近付いて来た。
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