No.1「想い」

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すっかり陽が落ちてしまったことに気づいたのは、冷めきったコーヒーを口にした時だった。 「彼氏ではなかったんですか?」 「彼氏ではなかったわ」 言葉じゃ表しきれないくらい、大切で大切で堪らない存在。 「でも、ファーストキスの相手は彼だったのよ」 「ファーストキス……?」 世界一大切なキス。 「わたし、今まで生きてきて、キスをしたのは彼だけよ」 「……え?仕事では……?」 わたしは首を横に振る。  
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