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「仕事でも、キスだけはしないのよ。ポリシー、なんて言ったら笑われるわね」
千里はまた悲しい顔をして、わたしに視線を送る。
「彼が好きだからですか……?」
「……そうね」
きっと誰もが、そんなのおかしいって笑うかもしれない。
それでもいいの。
誰が笑ったって、馬鹿にしたって、わたしの特別は消せない。
「いつから想ってきたんですか?」
「話すと、朝になってしまうわ」
彼のことを短時間でまとめて話すなんて、絶対に出来ない。
「……それでも、聞きたい」
真剣な眼差しで答える千里。
少し泣いてしまうかもしれない。
夕焼けの中
交わしたキス
瞳を閉じて
貴方を思い出す
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