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豊は頭が良くて優しくて、テストの点数もクラスで一番だった。
「れーん!早くしろよ」
「待ってよ!もう少し」
そんな豊とは対象的で、わたしは全く勉強が出来ない女の子だった。
小学5年生の時、算数の宿題が出来なくて、わたしは居残りをさせられた。
また豊が先に帰っちゃう。
そう思って、わたしは必死で頭を働かせて問題を解いた。
「終わった!ねぇ、ゆた…か」
顔を上げた先に、さっきまで居た豊の姿はもう無かった。
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