No.2「記憶」

3/12
前へ
/159ページ
次へ
豊は頭が良くて優しくて、テストの点数もクラスで一番だった。 「れーん!早くしろよ」 「待ってよ!もう少し」 そんな豊とは対象的で、わたしは全く勉強が出来ない女の子だった。 小学5年生の時、算数の宿題が出来なくて、わたしは居残りをさせられた。 また豊が先に帰っちゃう。 そう思って、わたしは必死で頭を働かせて問題を解いた。 「終わった!ねぇ、ゆた…か」 顔を上げた先に、さっきまで居た豊の姿はもう無かった。  
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

178人が本棚に入れています
本棚に追加