No.2「記憶」

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――次の日の朝。 豊はわたし達より小さな女の子の手をしっかりと繋いで登校してきた。 まるで不安に包まれたかのような表情を浮かべた女の子。 小さな手で、豊の手を……ぎゅっと握りしめているのがよくわかる。 その日から豊の隣にはその女の子が一緒だったのを、わたしは覚えている。 「豊……、一緒に帰ろ?」 わたしは断られるのかな?なんて思いながら、恐る恐る聞いてみた。  
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