No.2「記憶」

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「……あ、ごめん」 ああ、やっぱり……断られた。 「怜衣が独りぼっちになっちゃうんだ、だから……ごめんな?」 ――“怜衣” それが新しい家族の名前なんだな、ってわたしはすぐに思った。 豊は優しい。 そんなこと、わたしはずっと知っていた。 「……いいよ!全然平気だから」 無理して笑う自分の心とは反対に、本当は凄く凄く寂しかった。  
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